「晩までには帰ってくるから。」
何か急用ができたらしく両親はそう言うと自宅を後にした。
ちなみにエレナとマリナも急用ができたようで一時的にパラレルワールドに帰っている。

こうして一人で留守番することとなった雷慈。しかし雷慈は何かワクワクしてるようだった。
「いま一人なんだし、何しようかな。」
雷慈は何をしようか考えていた。

「そうだ!」
雷慈はそう言うと押し入れを開けた。

押入れからタオルケットを取り出すと肩にかけ、裾を膝付近まで上げて首元で結び、マントにする。
こうしてタオルケットをマントにして楽しんでいた。

しかし少し経つと物足りなくなってきたのかある事を思いつく。
「せっかくだから外に出てみよう。」
雷慈はそう言うとタオルケットをマントにしたまま外に飛び出した。

外は風が強くタオルケットのマントはパタパタとはためきながら大きく靡いていた。
「こりゃ楽しいや。」
気が乗りながらそのまま歩き出した。

タオルケットのマントを靡かせながら歩く姿は一際目立ち、道行く人々は雷慈に注目した。

そして気が付くと雷慈は海沿いまで来ていた。
海沿いは更に風が強くマントが持っていかれるような強さだった。それ故にマントが顔に被ってしまったりといったハプニングもあったりなかったり・・・

それからしばらくして雷慈は家に戻り、タオルケットを押入れに戻した。
時刻は午後4時、親とエレナ&マリナはまだ帰っていない。次は何をしようかと部屋の中を物色した。すると
「これは・・・」
タンスの中から出てきたのはエレナのスカートだった。※エレナとマリナは雷慈の部屋で生活しています。
雷慈は周りに誰もいないのを確認すると何と悪いとは思いつつもズボンをスカートに履き替えたのだった。女装経験がない雷慈にとっては未知の領域だった。
「ズボンより涼しくていいな。でも冬は寒いんだろなぁ。感心するぜ。」
雷慈は気分が乗ると同時に異性の事も少し勉強したのであった。

「そうだ!」
雷慈はそう言うと扇風機をMAXにした。
「こりゃ涼しくていいぞ。」
さらに気が乗る雷慈、すると今度は扇風機を寝かせて羽を跨ぐようにして立った。
勿論スカートは舞い上がり、パンツが見えかけたところでスカートを押さえた。
(キャアアアアアアアアッ見えちゃう〜!!)
雷慈はそう思いながら楽しんでいたが、鏡を見てすぐ我に帰った。
「やっべ、つーか俺は一体何やってんだろ・・・それにエレナもいつ帰ってくるか分かんねえし・・・」
後のことを考えた雷慈はすぐに扇風機を元に戻してズボンに履き替えた。

大慌てでスカートをタンスにしまうが、ある事に悩む。
「どんな風にしまってあったかな・・・」
雷慈はスカートがどう入っていたのか忘れていたのだ。しかし悩んでも仕方ないと考え、適当に入れて戻したのだった。

そして一息ついた直後にエレナとマリナが帰ってきた。間一髪でバレなかったことに雷慈はホッとする。
「ただいま雷慈。いい子にしてた?」
「雷兄ただいま。」
二人は雷慈に擦り寄る。
「ちょっ、恥ずかしいからやめろって。」
雷慈は慌てふためきながらも二人を抱き寄せた。

翌日、エレナは私服に着替えようとタンスを漁ると何かに気付く。
(あれ?私こんな無造作にしまってたかな?)
疑問に感じながらも私服に着替えるエレナ。

(昨日のことバレなくて良かったぁ〜。)
雷慈は再びホッとしたのであった。

終わり

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